定期借地権は契約期間五十年。住宅メーカーなどは、この期限付きの借地に一戸建てやマンションを建てて販売する。買った人は、契約期間が切れたら、更地にして地主に返還するのが原則で、契約更新はできない。五十年後に資産としての土地が手元に残らないだけに取得時の価格は安く、だいたい土地付き分譲の五〜六割ですむ。たとえば藤和不動産が九五年二月に東京・田園調布で発売した定期借地権付きマンションは、3LDK約八四平方メートルで約五〇〇〇万円(保証金約一〇〇〇万円を含む)と、周辺の土地付き分譲マンション価格の約六割だった。その安さが人気を呼び、八戸の販売に対して総申込件数は九四件で、平均倍率は一丁七倍、最高倍率は一八倍だった。問い合わせは1000件に達した。歴史が浅く、まだ物件が少ないため、ロケーションや建物の選択の余地という点では、どうしても難があるが、その安さはやはり魅力。昨年あたりから急速に人気化しており、九四年度の供給戸数は前年度比一〇倍超の約五〇〇〇戸に達した。定借(定期借地権)方式のマンション供給は自治体なども検討しているといわれ、将来的にはマンション供給の相当数を占める可能性もある。分譲方式との価格差が出やすい都市部での供給がどの程度進むか、注目したいところだ。いずれにしろ大手のハウスメーカーやデベロッパーの参入が相次いでおり、割安な住宅の供給増は、住宅市場全体の価格形成にも影響を与えそうだ。
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