内需拡大のためには都市空間の荒廃も犠牲にするという政府の発想は、旧国鉄用地の「活用」や公務員住宅の再開発など国民の資産を目先の利益に利用したり、「空中権」の法的整備を行ない、都市再開発をしやすくするという方向に広がっている。すでに一九七九年一一月、建設・鉄鋼業界等からなる日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)が発足し、関西新空港を含めた都市開発について提言している。一九八三年一〇月、経済同友会は「民間活力による都市開発の効果的促進」を提出した。
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これらの提言はその後も一貫して行なわれ、一九八八年六月の土地臨調答申に引き継がれている。こうした財界の都市開発への進出の名分は、いうまでもなく景気の振興にある。景気一般の浮揚もさることながら、海外で貿易摩擦を引き起こしている日本にとって、住宅建設をはじめとする内需拡大には大きな意義があろう。一九八二年、日本を訪れたケネス・E・ボールディングは「日本はいま、世界各地で貿易摩擦を起こしているが、都市環境の整備など国内でやることがたくさんあるではないか。特に住宅はひどすぎる」と語っていた。