土地の価格は個別的に形成されるので、既往事例が必ずしも適切でなく、算式や規格にも例外のおこることが多い。ある算定式が定められたとしても、それがすべての場合に通用するようなものをいまだ問いたことがない。もしそのような規定があったとしても、理論を究めるまでの途中における約束による定めや、またはある種のモデルにしかすぎないであろう。最近はすべての分野でコンピュータによる解決方法が研究されており、土地価格についてもコンプュータによって一定値をだそうと研究されている。
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コンピュータの能力は、要因の数の記憶力が大きく、計算速度が速いことは驚異的であるので、地価要因の多数なるものをもたちどころに処理するかの錯覚に陥るのであるが、コンピュータには要因の選択とウエイトづけやそれらの関連づけの能力がなく、それらのケースのコンビネーションをも併せるときは、そのケースはさすがのコンピュータも征服しうるものではない。私は土地の鑑定評価は、対象物件をみた鑑定士が真に信ずるところのものを、市場になりかわって行なうものであり、そのプロセスを説明してこそ説得性が成立するものと考える。したがって鑑定士の自覚を注入することなく、算式や基準のとおりに、またはコンピュータを用いたらこの答になったということは、鑑定評価による価格ではなく、算式や基準による、またはコンピュータによる価格であるにすぎないと思う。